9/21フォーラム参加作家と報告者のプロフィールです

アオヴィニ・カドゥスガヌ(奥威尼・卡露斯、Auvini.Kadresengane)

1945年、屏東県霧台郷コチャポガヌ (旧好茶村、Kochapongane)生まれ。ルカイ族。漢名は邱金士。台湾三育基督学院企業管理学科卒業後、1980年代末まで基督復臨安息日会で伝道に従事しながら教会事務の会計を担当する。その後、「回帰部落」運動のなかで、1990年に故郷の旧好茶村に帰り、創作活動に従事するようになる。作品集には『魯凱童謠』(1993年)、『野百合之歌』(2002年)、『雲豹的伝人』(1996年)、『詩与散文的魯凱 神秘的消失』(2006年)などがある。散文「雲豹の伝人」(『台湾原住民文学選4』草風館、2004年)と長編小説「野のユリの歌」(同7、2009年)が邦訳されている。

 

パタイ(巴代、Badai)

1962年、台東県卑南郷泰安村タマラカウ(大巴六九、Damalakau)生まれ。プユマ族。本名は林二郎。卑南国民中学卒業後、中正預校、陸軍官校で学び、職業軍人になる。教官を務めたのち、2006年退役。2005年、台南大学台湾文化研究所修士。2002年「薑路」(邦訳「ジンジャーロード」、『台湾原住民文学選4』)で原住民報導文学賞を受賞し、2008年には長編歴史小説『笛鸛(ディーグワン)』で台湾文学賞を受賞した。その後、タマラカウを舞台にした歴史長編小説『斯卡羅人』(2009年)『馬鐵路(マテル)』(2010年)『走過』(同)『白鹿之愛』(2012年)を出版している。また、巫術についての研究書や、タマラカウ部落に伝わる祭儀を記録した書も出版している。台湾原住民族文学ペンクラブ副会長。邦訳『タマラカウ物語(上・下)』(草風館・2012年)は『笛鸛』『馬鐵路』を訳出したものである。

  

◆報告者プロフィール(登壇順)◆

下村 作次郎:

天理大学国際学部教授。中国現代文学、台湾文学、台湾原住民文学。翻訳・編集に呉錦発著『悲情の山地 台湾原住民小説選』(1992年)、『台湾原住民文学選』(全9巻)、孫大川著『台湾エスニックマイノリティ文学論』(2012年)などがある。 

魚住 悦子:

国際交流基金関西国際センター日本語教育専門員。日本語教育、台湾原住民文学、霧社事件。訳書に『抗日霧社事件の歴史』(2000年)、『台湾原住民文学選2 リカラッ・アウー/シャマン・ラポガン集』(2003年)、『タマラカウ物語(上)(下)』(上記)などがある。

林 麗英:

台湾出身。現在、大阪市在住。国立民族学博物館の外来研究員として「台湾原住民族」の農耕活動に関する歴史的文化的変容過程の研究活動を行っている。

中村 平:

2001年台湾大学人類学部修士。2007年大阪大学博士(文学)。現、神戸女子大学文学部助教。台湾原住民族との交流会会員。1990年代末から台湾で聞き書きを行っている。台湾と日本の脱植民化。自治運動。共著書に『コンタクト・ゾーンの人文学Ⅳ ポストコロニアル』、訳書に周婉窈『図説台湾の歴史』(増補版)などがある。

中村ふじゑ:

台湾原住民族との交流会、台湾慰安婦裁判を支援する会、日本台湾学会各会員。著書に『オビンの伝言―タイヤルの森をゆるがせた台湾・霧社事件 (教科書に書かれなかった戦争―歴史を生きぬいた女たち) 』(2000年)などがある。