アミ(阿美族)
アミ(阿美族)、またの名をパンツァハ、パンツァは、台湾原住民のなかで一番多い16万9千人強の人口で、台湾原住民の総人口35%以上 を占めている。居住地域は台湾の東部一帯で、花蓮県と台東県、台東市ではもっとも多い原住民族人口を占める。主に平地に居住し、中央山脈と海岸山脈(東岸山脈)の間にある細長い渓谷地域(花東縦谷)、その両端の花蓮市や台東市周辺の平野部、太平洋沿い、台湾南端の恒春半島に住んでいる。台北市や高雄市などにも「大都市の原住民」として、生活を営んでいる。
伝統的なアミ社会は母系社会で、陶器やかご編みの技術にすぐれていた。集落は他の原住民族に比較して大きく500人から1000人規模が一般的である。男性は13歳前後で年齢階梯組織に属し、2歳から5歳程度の幅で同じ組となった青年が集会所で寝食をともにして訓練を受けた。そののちに結婚した女性の家に婿入りして生活していた。現在は、徐々に嫁入り婚に変化しているが、年齢階梯組織そのものはさまざまな場面で機能している。さまざまな祭りが営まれるが、豊年祭が7月に南部から始まり9月すぎに北部で終わる。時期が来ると花蓮県政府、台東県政府などのホームページにスケジュールが掲載されるので、訪ねてみるとよい。
文責:山本芳美